「わたしは女の子だけれど、性のことへの関心がすごく強かった」
「セックスが気になってしかたなかった」
この本では、おとなになった30代の著者イダさんが、ご自身の10代のころを振り返って語っている。
性教育の本って、男子の性欲についてはとりあげているけれど、女子にも性欲があることを、なかったことにしているみたい。そんな疑問を抱えている女の子たちへ、体の変化、心が疲れたときの休み方や相談の仕方について、イダさん自身の実体験をふりかえりながら、あふれだすティーンエージャーへの愛をもって語る・・・・・・それが、『わたしの体におこること なんでもガールズトーク!』です。
●ファーストブラ(この本の14ページから)
小学校のときは、ブラジャーをつけていることをこそこそ話すけど、中学校に入ったらブラジャーをしてないことをこそこそ話す。
——そうそう、小学生はまわりより発育が早いと恥ずかしいと感じ、中学生になると、発育が遅いと恥ずかしいと感じる。思春期はまわりの人と比べてしまうもの。
●毛が生える(この本の20ページから)
わきの下の毛は、1つの毛穴から、毛が3本ずつでてくる。
——わき毛、気になるよね! よく観察して書いてる! 1本ずつ毛抜きで抜いたというのも、めちゃくちゃ共感!! わたしも中学の寮で、こっそりやってた。でも、お父さんのカミソリでそっちゃダメだよ! カミソリは家族といえども、共用は避けてね。
●足の太さ(この本の38ページから)
「しっかりした足だなあ!」なんて親戚のおじさんから言われて、ひどく傷つく。
——わたしもバレーボールをやっていて足が太かった。「足が太いのは、背が低いわたしがその分ジャンプできるようになるため、しかたないんだ」って受け入れられるようになったのは大学生もおわる、24歳の頃だった。どうがんばっても、この先この足と一緒に人生やっていくんだから、って思ったんだ。
この本にある、「今ならわかる。かわいくないのがいやだったんじゃなくて、不安だったんだ。」という言葉にすごく共感する。そうなんだよ! 誰かにかわいいって思われたい、誰かに認められたい。それが思春期だった。ほかの誰でもない自分が自分を認められたら、すごく楽に生きられるのに。
思春期の性をネガティブに感じる気持ちも受けとめて、「でも大丈夫だよ」って寄りそってくれる。この本で語られるのはキラキラじゃない女の子の性教育。
性への好奇心が芽生えてくる時期に、性への恐怖を植えつけられるのって、やっぱりヘルシーじゃないよね。著者のイダさんは、10代のころ、女性のセルフプレジャーをネガティブにとらえていたけれど、おとなになって他の人もしていたと知り、ほっとする。こういうこと、思春期のうちに知りたかった!
月経にはさまざまな症状があり、解決策もあることをそっと教えてくれる。
実は、本書は、韓国の「ソウル市立10代女性健康センター」*で配布されていた冊子が元になってできたものでした。内容が評判をよび書籍化され、現在は韓国にある性教育施設「Aha(アハ)! 」**にもおいてあります。
思春期の性の悩みは、世界共通。
元「思春期の女の子」からのメッセージを、日本の女の子たちへ!
【編集部より】
「ソウル市立10代女性健康センター」*は、ソウル市によって2013年9月、性暴力の危機にさらされた10代女性のための健康支援施設として韓国で初めて設立され、2025年7月まで産婦人科や歯科など専門医の診察と精神保健相談等を提供していた施設のこと。『わたしの体におこること なんでもガールズトーク!』は、センターが10代に配布していた「ソウル女性青少年・性健康手帳」(2017年版、2021年版)に収録された内容の一部をもとに、韓国で企画出版されました。「Aha(アハ)! 」**は、子どもや若い人に向けて性やジェンダー平等に関するさまざまなプログラムを実施したり、カウンセリングを提供したりする公立の性教育施設。ソウル市内にある「Aha(アハ)!」のような「青少年性文化センター」は、韓国各地に57施設あります。
韓国には、女性に関するさまざまな団体が数多くあり、活動しています。