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今週のおすすめ

ページのすみずみまで目がはなせない! 子どもたちの夢をかなえてくれる『からすのパンやさん』

絵本作家かこさとしさんの代表作のひとつ『からすのパンやさん』。発売以来40年以上、たくさんの読者に愛されてきたロングセラー絵本です。しまうまパン、だるまパンなどいろんな形のパンがページのすみずみまで並ぶシーンは人気ナンバーワン。そのおいしそうなパンももちろん魅力的ですが、大人になると、この本を子育ての応援メッセージと受けとる読者の方もいるようです。今回は改めて、『からすのパンやさん』の魅力をご紹介します。

「からすのパンやさん」は仕事に子育てに大忙し!

 からすの夫婦が営むパンやさんのうちに生まれた4羽のあかちゃん、チョコちゃん、リンゴちゃん、レモンちゃん、オモチちゃん。夫婦は、4羽を大切に育てますが、お店と子育ての両立はとにかく大変! いつの間にかパンがこげてしまったり、子どもたちの世話が忙しくて、お店もなかなか片付けられません。やがてお客さんはだんだんと離れていき、夫婦は貧乏になっていってしまいます。

 家事に育児に仕事に、毎日を追われる世の中のお母さんお父さん、思わずうなずいてしまうシーンかもしれません。

人気ナンバーワンは、見開きいっぱいのパンのページ!

 それでも4羽は、元気にどんどん大きくなり、お父さんお母さんのパン焼きを手伝うようになります。家族で協力してつくった見開きいっぱいのたくさんのパンたちは、どれも見たことがないものばかり! だるまパン、とんかちパン、かみなりパンなどなど……どれを食べようか、目移りしてしまいます。

『からすのパンやさん』のお気に入りの場面としてあげる方が圧倒的に多いのが、こちらのページです。

夫が幼い頃大好きだった本を子どもにおくりたいという事で、2歳の誕生日プレゼントにしました。沢山のパンのページに「うわー!!おいしそう!!」と目をキラキラさせている息子。さっそく夢中になり、お気に入りの一冊になりました。何世代にも渡って愛されるすてきな本を沢山うみだしてください!(2歳女の子のお母様/愛読者はがきより)

昔、自分が読んでもらった絵本を子供にも読んであげたいと購入しました。様々なパンのページが子供もお気に入りで、自分で考えたパンを教えてくれたりします。我が家も4人子供がいるので、4羽の子ガラスのように手伝ってくれることも期待しています。(愛読者はがきより)

 パンの種類はなんと全部で84個! それぞれの子が「食べたい!」と思うパンはきっといくつも見つかることでしょう。かこさんは2013年に行ったインタビューで、この場面について、このようなことを語られていました。

たくさんのパンが出てくるのが好きだ、という感想をたくさんのお葉書でいただきました。でも、考えてみるとたくさん食べものを描けば喜ぶかというと、そういうわけじゃないのです。要するに、これから生きていこうとする子どもですから、生きてくためには、食べものというのが大事だ。でも、その食べものを、食べるだけでははなくて、自分の好きなものへとか、自分の好みのものへ、もっと発展させたいと思っている。生きていくために、プラスになるようなものが欲しいのです。

 子どもたちが「いいな、うれしいな」と思うものをお腹いっぱいに見せてくれるこちらのシーンの背景には、かこさんの「できるだけたくさんの子どもたちの夢をかなえてあげたい」という思いがあったのですね。

1羽1羽、描き分けられたからすたちはみているだけでおもしろい

 パンの焼けるにおいが森中に広がったことから、とんちんかんの勘違いをした大人たちが、大騒ぎをしてパンやさんへ殺到するシーンでは、1羽1羽描きわけられたからすたちが登場します。

 新聞を持っている野次馬のようなからす、お洒落をしているマダム風のからす、着物を来たおばあさんからす、果ては白無垢を着た新婚夫婦からすまで……絵本の文章に触れられていないからすたちも気になる気になる。

 かこさとしさんは、川崎での会社員時代、近所の子どもたちを集めて手作りの紙芝居を上演するセツルメント活動を行っていました。ところが、内容がつまらないとすぐに子どもたちはどこかへ行ってしまったのだそうです。かこさとしさんの絵本には、『からすのパンやさん』のパンやからすの場面のように、ページの隅々まで子どもたちによろこんでもらうための工夫がしてあるように感じます。

かこさとしさんの絵本づくりへの思い

 2013年には、かこさんが長年あたためていらした『からすのパンやさん』の40年ぶりの続編『からすのおかしやさん』『からすのやおやさん』『からすのてんぷらやさん』『からすのそばやさん』も4作同時に発売されました。

  2018年5月2日にお亡くなりになったかこさとしさん。亡くなる直前までこの『からすのパンやさん』を描いた40年前と変わらず、子どもたちをよろこばせたい、子どもたちにたくさんの世界を知ってほしいという思いを持ちつづけて絵本づくりを続けられていました。

 「つづきのおはなし」刊行時に行ったインタビューで、かこさんの絵本づくりへの思いをたっぷり語っていただいています。インタビュー映像とあわせて、全文を「かこさとしおはなしのほん」公式サイトに掲載をしています。ぜひこちらもあわせてご覧ください。

https://www.kaiseisha.co.jp/special/kakosatoshi/interview.html

<イベント情報>

かこさとしのひみつ展-だるまちゃんとさがしにいこう-

会期:2018年7月7日(土)〜2018年9月9日(日)
場所:川崎市市民ミュージアム 企画展示室1

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表紙の絵やとちゅうの絵がかわいいのでレンちゃんや高田さんの気分になれて本の中の世界にすいこまれるのでドキドキハラハラしておもしろかったです。(9歳)

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