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今週のおすすめ

いざというときは、何がなんでも助け合う! アメリカで50年間愛されてきた絵本を初邦訳『きのうえのおうちへようこそ!』

ツリーハウスで暮らすのって、憧れますよね。ハンモックをつるしたり、さわやかな風を感じたり…。きょうご紹介する『きのうえのおうちへようこそ!』(ドロシア・ウォーレン・フォックス 作/おびかゆうこ 訳)に出てくるツイグリーさんは、まさにそうやって暮らしています。
でも、気ままに暮らすツイグリーさんは、町で変わり者といわれているようで…。
 
 

いぬのニャンコと暮らす、変わり者のツイグリーさん

 大きなソファーやテレビもある、快適な木の上のおうちで暮らすツイグリーさん。一緒に暮らしているのは、いぬのニャンコです。ちょっと変わった名前ですが、「一番のともだちはねこだから」と、ニャンコは気に入っているようです。
 
 好きなことしかしないツイグリーさんは、人がきらい、というわけではないけれど、木の上で暮らしているうちに、人に会うのが苦手になったよう。町でのお買い物はなんとニャンコにおまかせ!
 
 
 ときどき訪ねてくる仲良しは、くまたちです。

こんなふうに、木の上のおうちで一緒にあそんでいます

 
 こうして、木の上のおうちでの生活を楽しむツイグリーさんですが、町では「とんでもない」とうわさされています。とくに市長の奥さんは、人と関わらないツイグリーさんにご立腹
「わたくしが、わざわざ たずねていったのに、あのかた、かくれてしまいましたのよ。れいぎしらずにも ほどがありますわ。」
 
 

町をおそった大雨! 困った町の人たちの目にうつったのは…

 そんな町に、あるとき嵐がやってきました。風が吹きあれ、川から水があふれ、橋も流され…とうとう町は海のようになってしまいました。ボートに乗ったり、屋根にのぼったり、ぶたたちはえさばこを舟がわりにしたりと、みんな必死です。

 そんなとき、みんなの目に入ったのが、木の上のツイグリーさんのおうち! これは町の一大事、と思ったツイグリーさんは、ニャンコやくまたちと、木の上のおうちをととのえて待っていました! 「みなさん ぜんいんを おむかえします。きのうえは あたたかいですから、からだも すぐに かわきますよ!」

いざというときは助け合う。昔から愛される絵本のメッセージ

 この絵本を描いたドロシア・ウォーレン・フォックスさん(1914-1999)が長年暮らした町の家の目の前には、大きな池があり、その池の真ん中に浮かぶ島には、大きなシダレヤナギの木が立っていたそうです。
 これは本当のお話ではありませんが、実際に1955年にハリケーンがこの町をおそい、池の水があふれ大きな被害があったそう。そんなとき、池の真ん中のシダレヤナギの木が、堂々とそびえたっているように見えたのかもしれません。
 
 そんな頼もしい木の上から、だれかが助けてくれたら、どんなに心強いでしょう! ツイグリーさんはそれまで好きなことしかせず、人が苦手だったけれど、こんなときにそんなこと気にしていられない! と力を発揮しました。アメリカで50年以上愛されるこの絵本からは、「いざというときは何がなんでも助け合う」というメッセージが伝わってきます。

 
 意外なことに、日本で訳されるのはこれが初めて。いつのときも色あせないこのメッセージを、たくさんの人に受け取ってほしいです!
 

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今日の1さつ

とつぜん魔女が現れていろいろな話を聞かせてくれるということが不思議で一気に読んでしまいました。岡田さんの本は他の本も場所が学校のものが多くていろいろ想像しながら読めるので何度も読みました。(11歳)

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