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編集部だより

夏休みのおたのしみ! 舘野鴻絵本原画展 ぼくの昆虫記

 偕成社で『しでむし』『ぎふちょう』『つちはんみょう』の3冊の絵本を出している舘野鴻さん。町田市の文学館、ことばらんどでは、この3冊の絵本の原画を中心とした展覧会が開催中です。見どころ・遊びどころ満点の展示を、舘野さんに案内してもらいました!
 
 
舘野鴻(たての・ひろし)
1968年、神奈川県横浜市に生まれる。札幌学院大学中退。幼少時より熊田千佳慕氏に師事。図鑑や児童書の生物画、解剖図プレートなどを手がけ、2009年『しでむし』で鮮烈なデビュー。2017年『つちはんみょう』で小学館児童出版文化賞受賞。その他の作品に『ぎふちょう』など。
 
 
 入り口を入るとまず目に入るのが、この大きく拡大された原画! これは、『つちはんみょう』のなかの1コマです。
 
 
 実際は指先ほどの大きさしかないウツギの白い花が、大人の身長くらいまで大きく拡大されています。「絵を見ながら、昆虫の気持ちになってみてほしいですね」と舘野さん。
 
 会場にはこのほかにも、『しでむし』『ぎふちょう』からそれぞれ1シーンずつ拡大して展示していて、どれもなんと撮影OK! 「友だちと、家族と、いろいろな写真を撮って遊んでみてください」
 

こんなふうに、なでたりもできますよ

こまかな筆使いも鮮明に!

 
 つづいて、なんといっても展示のメインは絵本の原画です。会場にはそれぞれの絵本から選びぬかれた原画がならび、そのあいだには、なにやら文字がはいっています。
 
 
 じつはこれ、今回の展示のために舘野さんが書きおろしたものなのです。「壁全体がひとつの作品になるように考えた」と舘野さん。うつくしい原画といっしょにながめていると、絵本を読んでいるのとはまたべつの印象があり、それぞれの作品にたいする理解がふかまります。
 
 会場にはほかにも、舘野さんのルーツをたどる、若かりしころに描いた絵などもたくさん飾られています。
 

「こんなの出すのはじめてだよ、はずかしいなあ」

 
 右上に見えるのは、印象派を代表するフランスの画家・モネに影響をうけて描いた風景画。実際にモネがやっていたように、絵の具と紙をもって山へいき、朝から晩まで変わっていく空の色を写しとったのだとか。わきには、20代のころに傾倒していたという演劇のポスター用に描いた絵などもあり、舘野さんの表現の多様さにおどろかされるばかりです。
 
 奥へすすむと、舘野さんのアトリエを再現したコーナーもありました。そこには舘野さんが絵を描くときに参考にするという昆虫の標本や鳥の羽根、参考にしている図鑑などの本、それから観察に欠かせない実体顕微鏡など、大人もわくわくするような道具がたくさん。お昼まえの会場は夏休みの子どもたちでいっぱいで、舘野さんは質問攻めにあっていました。
 

トビの羽根の構造についてレクチャー。興味しんしんです

 
 会場には今回つくられたキャラクター「たてのくん」のコメントもあり、興味をそそります…! 絵本には書いていない裏話なども聞けるかも?
 

このうえには、表紙をくるりと丸めた立体の展示もありました

 
 そのほかにも、現在取り組んでいる新作絵本『がろあむし』の原画もとくべつに公開中! 作画風景を撮影した映像作品もあり、こちらも必見です!
 

1枚描くのにかかったのは、なんと120時間! 映像では早回しになっています

 
 期間中は公開作画や記念対談など、いろいろなイベントで目白押し! くわしくは、ことばらんどのHPをチェックしてみてください。
 
 
 
 ひときわ暑いことしの夏。そとで遊ぶのももちろんたのしいですが、ときにはすずしい部屋でのんびりするのもいいですよね。自然のことがたくさん知れて、うつくしい原画も見られるぜいたくな展示ですが、なんと入場無料(!)ですので、ぜひ遊びにいってみてください!
 

遊びにきてくれた子どもたちと!

 
 
(取材/編集部 丸本)
 

舘野鴻絵本原画展 ぼくの昆虫記

 
  • 開催日時:2018年7月14日(土)から9月24日(月)
  • 開催時間:10時から17時
  • 休館日:毎週月曜日、第2木曜日(ただし、7月16日、9月24日は開館)
  • 場所:町田市民文学館2階展示室
  • 観覧料:無料
  • ウェブサイトはこちら

記念対談① 舘野鴻「いとしき黄泉の番人たち―虫と妖怪のあやしい世界―」

聞き手:原口尚子(水木しげる 長女)
9月9日(日)14:00〜16:00
定員:80名(申込順)
参加費:無料

記念対談② 舘野鴻×奥本大三郎(フランス文学者)「ぼくの昆虫記」

9月15日(土)14:00〜16:00
定員:80名(申込順)
参加費:無料

舘野鴻公開制作

8月18日(土)、8月25日(土)、9月1日(土)13:00〜17:00

読み語り+弦楽三重奏、ふたたび、舘野鴻の世界

9月23日(日)14:00〜15:30
出演:舘野鴻(絵本作家)、ケラトポゴーニ弦楽三重奏団
定員:80名(申込順)
参加費:無料

※このほかにもたのしいイベントが盛りだくさん!
 くわしくは町田市民文学館ことばらんどHPをごらんください。

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今日の1さつ

山本容子先生の絵が大好きでいろいろ集めています。ストーリーがまた愉快で壮大でワクワクします。どこからこんな楽しいお話が出てくるのでしょうね。絵がすばらしいのはもちろんです。花も動物も一人一人がちがう表情をしていて、見飽きません。すばらしい絵本をありがとうございます。(80代)

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