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偕成社文庫100本ノック

第92回

モンテ・クリスト伯

『モンテ・クリスト伯(上)』アレクサンドル・デュマ 作/大友徳明 訳

 世界一有名な復讐譚、といってもいいくらい有名な『モンテ・クリスト伯』。
 翻案されてSF小説や、映画や舞台、アニメになったりしていて、最近ではゲームのキャラクターとしても人気ですね。

 物語は、船乗りの青年エドモン・ダンテスが恋人メルセデスと結婚の約束をして、幸せの絶頂にあるところから始まります。しかし、婚約祝いの日、彼は無実の罪で逮捕されイフの城塞に幽閉されてしまいます。絶望し狂気に囚われそうになるエドモン。しかし獄中でファリア神父と出会い、知識と教養を身につけ、城塞を脱出し、やがてモンテ・クリスト伯としてフランスの社交界へと現れます。かつて、自分を陥れた者たちに復讐を遂げるために。

 もともとは新聞の大人気連載小説だった本作、続きの気になる展開で目が離せません。欲にかられエドモンを陥れた男たちがどう破滅していくのか、復讐に巻きこまれた若い恋人たちの運命、そしてモンテ・クリスト伯と復讐相手の妻となったメルセデスの関係など、ぐいぐい読者をひきつけます。

 さて、モンテ・クリスト伯は周到に計画を実行していきますが、復讐の影響は対象だけでなく、その家族にもおよんでいきます。最初は、その見事な復讐ぶりに快哉をあげていた読者も、モンテ・クリスト伯とともに考えはじめるはずです。はたして、復讐は正しいことなのか。このまま完遂してしまっていいのか、と。

 すべてを奪われ、復讐に人生をささげたモンテ・クリスト伯は、最後に何を選びとるのか。思いがけない結末が待っています。

 偕成社文庫版では、長大な原作のうち、本筋と離れた部分・現代の読者には冗長と思われる部分を割愛し、コンパクトな上下巻で物語自体を楽しめる新訳になっています。
 華麗なる復讐の物語、ぜひ読んでみてくださいね。

(編集部 佐川)

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今日の1さつ

描かれている町のモデルのような田舎に住んでいるわけでもないのに、読んでいると思い出す感覚や匂いがあります。こどもの頃の放課後などです。外で遊んでだりして、都会にいても自然を感じとる力が備わっていたのかなと思います。とてもすてきな感覚を思い出すことができました。(20代)

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