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偕成社文庫100本ノック

第49回

彦一とんちばなし

『彦一とんちばなし』小山勝清 文

 子どものころ大好きだった、一休さんやきっちょむさんなど、小気味のよいとんち話。
 この『彦一とんちばなし』はそのなかのひとつで、熊本地方に伝わるお話を集めたものです。
 彦一くんは農家の子どもで13~14歳くらいでしょうか。頭のいい働きもの。いやな大人をとんちでこらしめたり、困っている人や貧しい子どもを助けたりする、やさしくて一本気な少年です。

 やっつける大人は、自慢ばかりしていばっている老人やごうつくばりな商人、なまけものの大人など。持ち前のとんちで「ぎゃふん」といわせて、改心させたりもします。
 殿さまがかけた謎でも、彦一はおじけずいつもの調子でなんなく解決してしまうので、気に入られ、しょっちゅうお城に出入りしています。はては、お殿さまの参勤交代について江戸へ行き、ぶっそうな事件の犯人をつきとめたりするのですから、大活躍です。(いまでいうところの、名探偵コナンくんのような存在でしょうか。)

 そのうちのひとつをご紹介します。

 あるとき、村の庄屋さんは困っていました。お城の殿さまから、油の原料になる茶の実を集めて献上せよとのお達しがあったのですが、村にはお茶の木が少なく、そんなにたくさん実を集められないのです。それをきいた彦一はわらって、「わたしがあつめてさしだします」と請け合います。数日後、彦一は80歳代のおじいさんおばあさんたちを30人ほどつれてお城へ。「茶の実は持ってきたか」ときく役人に、「はっ、これにひかえました老人たちがわたしの村の茶のみでございます。……」
 彦一の説明をきいた殿さまは、長寿のものは国の宝だ、とほうびをくださったということです。

 こんなお話が上巻に52話、下巻に47話収録されています。

 権威におもねず、弱いものを助ける民衆のヒーローともいえる彦一。でも、そのとんちは機転がきいていて、相手を傷つけず、やっつけられたほうも笑ってしまうようなものです。

 ほっこりとした昔話を、冬休みのこたつの友にいかがでしょうか。

(編集部 和田)

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今日の1さつ

私の一番の大好きな絵本です。大切な友人に教わりました。病院で入院しているときに出会い、夢をあきらめかけていた私をはげましてくれた1冊です。涙し、これからの人生の永遠の本となります。ありがとうございました。(30代)

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