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偕成社文庫100本ノック

第47回

続あしながおじさん

『続あしながおじさん』ウェブスター 作/北川悌二 訳

『あしながおじさん』という本はご存知でしょうか?孤児院で育った女の子ジュディが、後見人のおじさん(と言っても若いのだけれど)に宛てた、彼女の大学での日々を報告する手紙だけで書かれていて、最後にはあっと驚く役割でおじさんも登場する、とてもおもしろい本です。わたしも小学校の時に読んで、楽しい大学生活に憧れていました。ただ、その本に続編があるというのは、あまり知られていないかもしれません。

 続編の『続 あしながおじさん』は、日本語では分かりやすくこのタイトルになっているのですが、元の英語では”DEAR ENEMY”、そのまま訳すと「親愛なる強敵さんへ」という何とも妙なタイトルです。中身も『あしながおじさん』の全くの続編、というわけではありません。主人公、というか手紙の書き手はジュディの大学時代の親友サリー。彼女は今では結婚してペンドルトン夫人となっているジュディからいきなり、状態が良いとは言えない孤児院の院長になってほしいと頼まれます。最初は、恋人や家族にも止められるし、自分でも大乗り気、とは言えない姿勢で院長職を始めるのですが、時間を経るうちに…という彼女の変化が、手紙を通して伝わってくる話です。

 サリーが手紙を書く相手はジュディ(依頼主への報告)、ゴードン(政治家であるサリーの恋人。主に孤児院へのプレゼントのお礼とか)、そして強敵さんと呼ばれる、ロビン・マックレイ先生。マックレイ先生は、サリーと同じくして新しく孤児院を担当することになった若くて有能なお医者さんなのですが、愛想もないし融通もきかないしで、サリーと衝突してばかり。それでもお互い孤児院を良くしたいという気持ちは一緒なので、協力して改革していくうちに、相手への印象も変わっていきます。

 話は全部サリーの書く手紙で進むので、孤児院で起こる色んな事件はすべてサリーの視点で語られます。手紙らしく気持ちのままに書かれているので、いたずらっ子がスカンクを罠にかけて捕まえてしまったあとの臭いの始末や、養子にもらわれた子が誤解を受けて孤児院に返されてしまった顛末は読んでいて、思わずサリーと一緒に困ったり怒ったり、お疲れさま!と声をかけたくなったりします。お金の問題など、すべてがうまくいくのは小説らしいのですが、サリーに仕事はやめて結婚してほしいゴードンに対して、「孤児院の院長として責任を全うしなくては」と反論する手紙や、結果二人のやりとりが変わっていく様子とそれをジュディに報告する手紙、あたりは100年前に書かれたとは思えません。前作に比べると少し内容が大人っぽくて、働きだしてから読むと更におもしろいので、大人になって読み返すのがおすすめです。この手紙に一体ジュディはどんな返事を書いたのかな、と想像するのも楽しいですよ。

 また、お世辞にも上手とは言えない、でも雰囲気はとても伝わる挿し絵は前作に続いて著者ウェブスターが描いています。是非物語と一緒に楽しんでみてください。

(販売部 高橋)

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今日の1さつ

まだ1歳ですが絵本が好きなので、絵がきれいなものを探していて、気に入り購入しました。いろんな世界のいえがとてもステキで、大人になるまで大切にしたい一冊になりました。たくさん読んであげたいです。(読者の方より)

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