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偕成社文庫100本ノック

第19回

9月0日大冒険

『9月0日大冒険』さとうまきこ 作/田中槇子 絵

 子供の頃の夏休みって特別ですよね。大人になると忘れてしまうけど、夏休みが始まった時のあのワクワク感はもう味わえません。毎日学校へ行って規則正しく生活する日々から解放され、自由に過ごせる時間が一ヶ月以上もあるわけで、少しくらい寝坊しても朝から晩まで友達と遊んでも良い。もちろん大量の宿題は付き物ですが、楽しい思い出がたくさんできるはずです。

 そんな楽しい夏休みのはずが、『9月0日大冒険』の主人公である純くんはぜんそくで寝込んでしまったり、お父さんの出張で旅行が中止になったり、全く夏休みらしいことができずに楽しめなかったのです。

 夏休み最後の8月31日が終わって日付が変わったころ、純くんがふと日めくりカレンダーをめくると「きみだけの特別な一日!さあ、冒険に出かけよう!」というメッセージと共に「9月0日」が出てくるのです。8月31日の次は9月1日なのに、あれ、おかしいな…と思って窓の外を見るとジャングルや砂漠が広がっていて、よくよく見てみれば火山まで見える。そこには、純くんが大好きな恐竜たちが生きていた時代の景色が広がっていたのです。戸惑いながらも「これは夏休みをまったく楽しめなかった自分へのプレゼントに違いない」と思って食料と道具を準備して純くんはジャングルへと足を踏み入れます。

 ジャングルを進むうちに同級生のリコちゃん・アギラと出くわし、話を聞いてみると彼らも「9月0日」のカレンダーを発見し、純くんと同じく全く夏休みを楽しめなかったことがわかりました。普段はあまり仲良しでもなかった3人が一緒にジャングルを冒険して、けんかしながらも協力して先に進んでいきます。

 3人が「9月0日」の冒険を通じて得たものは決して楽しい思い出だけではありません。もっと特別なものを手に入れたのですが、それは本書を読んで確かめてみて下さい。大人になるとなかなか手に入らないものですね。読み終わると、「いいなぁ」とつい言ってしまうかもしれません。

(販売部 柴原)

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私の一番の大好きな絵本です。大切な友人に教わりました。病院で入院しているときに出会い、夢をあきらめかけていた私をはげましてくれた1冊です。涙し、これからの人生の永遠の本となります。ありがとうございました。(30代)

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