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放課後の文章教室

第2回 友情を書く 2

どんな服を着て、どこへ出かけますか?

「書くこと」について、若い人からの質問に、作家・小手鞠るいさんが答えます。

 ここからは、ツイッターについて。
 あなたが「魅力的な文章を書きたい」と思った動機は、ツイッターで「友だちを増やしたい」からでしたね。
 なんらかの動機がある、ということは、実は文章を書く上で、とてもたいせつなことなのです。それについてはまたあとで、くわしくお話しします。
 友だちを増やすための、魅力的な文章の書き方とは?
 その質問にお答えする前に、まず「友だち」ということばの意味について、考えてみましょうか。あなたの書いている「友だち」と、私の「友だち」の定義は、大きく異なっているような気がするからです。
 私も2年ほど前から、ツイッターを利用しています。
 私がツイートをすると、そのツイートを読んで、なんらかの反応をしてくれる人がいます。メッセージを書いて、送ってくれる人もいます。ごく少人数であることもあれば、大ぜいのこともあります。
 ツイッターは仮名を使うことができますから、本当の名前もわからない人たちもふくまれています。自己紹介の欄は設けられていますが、それを読んだだけでは、いったいどんな人なのか、まったくわからないこともあります。
 おそらく一生、顔をあわせることもなく、声を聞くこともない人たちです。
 そのような不特定多数の人たちは、果たして私の「友だち」なのでしょうか。
 もちろん、あなたが「友だちだ」と考えるのなら、それはあなたにとって友だちなのでしょう。
 ツイッター上でよく見かけることばに「つながり」という4文字がありますね。
 ツイッターという通信機能を通して、私は、私のツイートを読んでくれた人と、一瞬だけはつながっています。一瞬にしてつながりますが、一瞬にして離れていきます。パソコンの電源を切ってしまえば、もうどこにもいない人たちです。
 
 それでも、ここではとりあえず、一瞬だけつながること=友だちになること、という前提で話を進めていきます。
 あなたは、現実の世界に存在する友だちに会いに行くとき、どんな服を着て、出かけますか? いつも同じ服じゃないでしょう?
  出かける場所によっても、会う相手によっても、季節によっても、服装は変わってきますね。買い物に出かけるとき、カフェで会っておしゃべりするとき、図書館でいっしょに勉強するとき、お弁当を持って海や山へ出かけるとき、あるいは、男の子とデートするとき、あなたはどんな服装で出かけますか? 
 そう、目的によっても、服装は変わってきます。
 ツイート、つまり140文字以内の文章は、あなたのその日のファッションだと考えてみてください。お葬式に参列するためには、華美な服はふさわしくありません。海へ行くのに登山靴は不要だし、山へ行くのに水着は不要です。
 あなたはいったいどんな人に向かって、メッセージを発信したいのか。あなたの書いた文章を、どんな人に読んでもらいたいのか。どんな人の目に、留まってほしいのか。どんな人と「友だち」になりたいのか。
 どんな人でもいい、とにかく大ぜいの人、と思うなら、前にもお話ししたとおり、とにかくわかりやすく書くことを心がけてみてください。
 でも、「こんな人と友だちになりたい」という特別なイメージがあるのであれば、そういう人を想定して、その人にアピールするような文章を書けばいいのです。
 だれに向かって、どういう目的で書くのか。
 まずそのことを頭のなかで、明確にしてから、書いてみてください。
 明確にするだけで、あなたの書く文章には、いい影響が出てきます。
 私は、私の書いた作品を、読みたいと思ってくれている人に届けたい、という目的で、ツイッターを利用しています。そして、読んでくださった方々への感謝の気持ちを伝えるために。それ以外の目的は、ありません。
 あなたは、ブログがだれにも読んでもらえていないからやめた、と書いています。ということは、あなたには「だれかに読んでほしい」という願望があり、それが書くことの動機になっているのでしょうね。
 その動機は、これからもたいせつにしてください。言いかえると、そう思っている限り、あなたはどんどん書きつづけていけばいい。たとえ魅力的な文章になっていなくても、あなた以外に読んでくれる人がいないブログでも。

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profile

  • 小手鞠るい

    小手鞠るい

    1956年岡山県生まれ。1993年『おとぎ話』が海燕新人文学賞を受賞。さらに2005年『欲しいのは、あなただけ 』(新潮文庫)で島清恋愛文学賞、原作を手がけた絵本『ルウとリンデン 旅とおるすばん 』(講談社)でボローニャ国際児童図書賞(09年)受賞。1992年に渡米、ニューヨーク州ウッドストック在住。主な作品に、『エンキョリレンアイ』『望月青果店』『思春期』『アップルソング』『優しいライオン やなせたかし先生からの贈り物』『星ちりばめたる旗』『きみの声を聞かせて』など。

今日の1さつ

表紙の絵やとちゅうの絵がかわいいのでレンちゃんや高田さんの気分になれて本の中の世界にすいこまれるのでドキドキハラハラしておもしろかったです。(9歳)

pickup

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