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絵本作家の「こどもとあそぶ」

第8回

あそびは自分が楽しくなくちゃ!〈スギヤマカナヨ〉

子どもの本の作家の方に「こどもとのあそび」を教えてもらう連載。第8回は、『ほんちゃん』『ぼくだけのこと』などを描かれ、「おもしろい!楽しい!うれしい!手紙」シリーズを刊行したばかりのスギヤマカナヨさんです。スギヤマさん流のあそび方は、「自分が楽しいことに子どもを巻きこむ」! 親子での遊びの思い出をたくさんおしえてくれました!

 普段、私は子どもたちが学校に行っている間に仕事をしています。でも子どもたちが幼稚園に上がる前は、仕事は子どもが寝たあと。昼間は子どもの世話をしつつ最低限の家事をこなし、どう楽しく過ごすかが日々の課題。何しろ四六時中一緒なわけです。私としては「子どもの遊びに付きあう」というよりは、自分が楽しいと思えることにいかにして「子どもを巻きこむ」かということに知恵をしぼっていました。

 天気が良ければ、朝はゴミ収集車めぐりをし、収集するおじさんたちに手をふります(おじさんたち、みんないい方で必ず手をふってくれました!)。それから、公園を探検。道なき道を「秘密の場所」と銘打ってひたすら歩きます。トチの実がいっぱい拾える穴場も、子どもと一緒に見つけた秘密の場所です。息子は今もその公園に行くと「秘密の場所へ行こう!」と言います。

 買い物への道すがらは忍者走りをしながら、電柱にかくれたり(子どもが一緒だと怪しまれない)、「今日はぼうしをかぶっている人を宇宙人ってことにしよう」と決め、遠くに見つけると胸のシャツのボタンを押し、「捕獲完了」と勝手に捕獲していました。

 そんな風に外ではいくらでも遊べますが、家の中での遊びは、いかに楽しく継続できるかが勝負。我が家のおすすめはガラスに描いて消せる「キットパス」。

「キットパス」を使って、窓におえかき。ガラスなどに描いて水で消せるのがいいところ

のびのび落書きできて、子どもは室内、私は外からお絵描きセッションも楽しめます。消すのも楽しく、窓もピカピカ。


 ダンボールの家づくりもかなり長い間遊べて、大人のやる気と本気も全開になります。娘のときは白いダンボールを買って絵を描き、カーテンを縫って窓につけ、ドアに呼鈴をつけたり、ふかふかのカーペットを敷いたりしました。息子のときは冷蔵庫を買いかえたので、すばらしいダンボールが手に入り、夫と子どもと夢中になって作りました。

ダンボールで暮らす息子

寝るときもダンボールのなかで

娘の家より見劣りはするものの、快適さはかなりのもの。息子はしばらくそこで暮らし、挙げ句の果てには夫も「落ち着く~」とそこで寝ていました。

息子のダンボールハウスで寝る夫(身長187センチ)

 そんな子どもたちも、今や娘は高校2年生で、息子が小学4年生。息子はすっかり野球少年で、ちょっと相手をしてやるかとバッティングピッチャーを買ってでれば、20球がせいぜい。母さんにはもうあの頃のような体力はありません……

 今も寝る前には息子に本を読んでいますが、やっぱり自分の読みたいものしか読まない母なのでした。


スギヤマカナヨ
静岡県三島市生まれ。東京学芸大学初等科美術卒業後、ステーショナリーの会社へデザイナーとして就職。1990年よりフリーランスとなり、アート・ステューデント・リーグ・オブ・ニューヨーク(The Art Students League of New York)でエッチングを学ぶ。『ペンギンの本』で講談社出版文化賞受賞。主な作品に『K・スギャーマ博士の動物図鑑』『てがみはすてきなおくりもの』『ぼくのおべんとう』『わたしのおべんとう』『みーせーて』『あかちゃんは おかあさんと こうして おはなししています』『ほんちゃん』他多数。

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今日の1さつ

とつぜん魔女が現れていろいろな話を聞かせてくれるということが不思議で一気に読んでしまいました。岡田さんの本は他の本も場所が学校のものが多くていろいろ想像しながら読めるので何度も読みました。(11歳)

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