icon_twitter_01 icon_facebook_01 icon_youtube_01 icon_hatena_01 icon_line_01 icon_pocket_01 icon_arrow_01_r

絵本作家の「こどもとあそぶ」

第9回

サワルとワカル?ーいきものと子どもたちー〈北村直子〉

子どもの本の作家の方に「こどもとのあそび」を教えてもらう連載。第9回は、東京都の動物園、井の頭自然文化園でポスターや展示デザインをするかたわら、イラストレーターや、デザイナーとしても活躍する北村直子さん。最近はじめての絵本『ワタナベさん』を発売したばかりの北村さんが、井の頭自然文化園でのドキドキワクワクのいきものさがしについて、自らの体験を教えてくれました!

 私は、東京の吉祥寺にある『井の頭自然文化園』という動物園でデザインの仕事をしています。事務所にこもっていることが多いですが、人手が足りないときなど、園内に出て子どもたちと時間を共にすることもあります。

 動物園では、週に1回、1時間「いきもの広場」という自然に集まったいきものを見つける場所を開放していて、とても人気があります。季節によってカブトムシ、チョウ、ガ、ダンゴムシ、ヒキガエル、トカゲ、たくさんのいきものが1300平米ほどのスペースに集まってきています。

 一見、樹木と池のあるただの広場に見えますが、スタッフに聞きながら、いきものを見つけるコツをつかみはじめると、ただの広場が「いきもの広場」に大変身します。

 私も子どものころは、カエルやセミを捕まえたりしていましたが気がつけば、虫やカエルなどの、いきものが苦手になっていて、ここで働くまで、身近にくらすいきものについて考えることもありませんでした。そんな私にとって広場での活動は、恐怖でもあり、最初は「大きなの、でてきませんようにー」とびくびくしながら参加していました。

 参加するうちに、私は子どもたちが、うらやましくなってきました。4、5歳までの子どもは、躊躇なく、ものすごく大きなヒキガエルを素手でさわったり、バッタやカマキリを捕まえたり、カブトムシの幼虫を土から掘りだしたり、実にたのもしく、かっこいいのです。

 大きなヒキガエルを捕まえた女の子に「どんな感じ?」と聞いてみると、「はい!」と言って、私の手にのせてくれました。「うわー!」っと思わず声がでてしまいました。手から生命力が伝わってきます。手にのった、無表情なカエルに顔を近づけてじっくり観察してみるとドキドキ、ワクワクしてきました。なんて素敵なのでしょう! 「カエルって、かっこいいねー!」と私が言うと、「じゃあ、もっと大きいの見つける!」と女の子は、あっちこっちに飛びまわっていました。そのとき、一気に視界がひらけたような、子どもたちや、いきものたちに近づいたような不思議な気持ちになりました。

 どうぞ、お子さんと一緒に探してみてください。特別なところへ行かなくても、いきものは、私たちに近い場所でくらしています。おとうさんも、おかあさんも、思いきって、いきものをさわってみると、周りを見る目がかわるかもしれません。

写真提供:井の頭自然文化園
イラスト:北村直子/『いきもの広場であそぼう』(井の頭自然文化園)より


北村直子

東京都生まれ。多摩美術大学絵画科油画卒業。東京都の動物園、井の頭自然文化園でポスターや展示デザインをするかたわら、広告、装丁などのイラストやデザインを手がける。主な作品に、絵本『おでかけ どうぶつえん』『おでかけ すいぞくかん』、『せかいでいちばん 手がかかるぞう』、『おならゴリラ』、『珍獣図鑑』、『小学館の図鑑 NEO まどあけずかん いきもの』など。作・絵を担当した絵本に『ワタナベさん』。

この記事に出てきた本

バックナンバー

今日の1さつ

娘に読ませたくて、ホームズの本を探しておりました。現代マンガ風の挿絵のものもある中、こちらは当時の雰囲気が伝わる本格的な感じで、字も読みやすく、8才の子でもふりがながのっているおかげで、ちゃんと読めたようです。今まで児童文学文庫=岩波少年文庫と思っておりましたが、偕成社文庫のラインナップが気に入り、書店ではまず、こちらの棚をのぞいております。

pickup

new!新しい記事を読む