icon_twitter_01 icon_facebook_01 icon_youtube_01 icon_hatena_01 icon_line_01 icon_pocket_01 icon_arrow_01_r

あららのはたけ

第2回

もものけむし、やい!

エミへ

 すぐに返事をくれたのに、おそくなってごめん。

 わたしね、この1カ月畑に出るたびに顔がはれにはれてたいへんだったの。エミがそばにいたら、大笑いして、きっと写メをとって、けんちゃんに送ろうとかいいだしたと思う。それを考えると、引っ越しちゃっててよかったわ。

 原因はさ、もものけむし。けむしの毛って、みえないくらい細かくって、どこまでも飛ぶんだよ。すぐにアイタっていうふうにはならないの。なんだかちょっとかゆいなぁ、ぐらいに思ってると、だんだんだんだん赤くはれてくるんだよ。それでね、おふろに入るときに鏡を見たら、首とかおなかとかまで赤いぽつぽつがいっぱい! たぶん、顔だけじゃなくて服にも毛がついてくるんだね。で、知らずにこすって広がっちゃうんだと思う。

 さてここで、エミに問題です。「あ、けむしに顔をさされたかな」って思ったときに、いちばん最初にやるといいのはつぎのうち、どれでしょう?

1、水で顔をあらう。 
2、すぐに薬を顔にぬりこむ。 
3、ガムテープを顔にはる。

ガムテープ

 なんと答えは、3番です。これで、みえないくらい細い毛を皮膚からひっぺがすんです。びっくりした?

 じいちゃんいわく、4月をすぎたら、ももの木のまわりを通るときにはガムテープをポケットに入れておくようにしなきゃな、だって。早く教えてって話だよね、まったく。

おじいちゃん

 それでわたし、とうとうある日、けむしにむかっていってやったの。

「やい、あんたがへばりついてるそのももの葉っぱ、どうするつもり? 1枚や2枚はあげてもいいけど、その調子だとぜんぶ食べちゃうんじゃないでしょうね?」

1 2 3 4

バックナンバー

profile

  • 村中李衣

    村中李衣

    1958年山口県生まれ。児童文学者。大学、大学院で心理学、児童文学を学ぶ。著書に『小さいベッド』(サンケイ児童出版文化賞)『おねいちゃん』(野間児童文芸賞)『チャーシューの月』(日本児童文学者協会賞)『かあさんのしっぽっぽ』(青少年読書感想文全国コンクール課題図書)など多数。創作活動とともに、小児病棟や刑務所、少年院、養護施設などでの絵本の読み合いに取り組み、絵本を声に出して読むことを通じて自分の思いを家族に送り届ける「絆プログラム」を実施中。

  • 石川えりこ

    石川えりこ

    1955年福岡県生まれ。横浜市在住。広告代理店でデザイナーを経てフリーのイラストレーターへ。絵本・児童書挿絵をはじめ、書籍装画、雑誌・広告など多方面で活躍中。『ボタ山であそんだころ』で第46回講談社文化賞絵本賞受賞。著書は他に『あひる』(くもん出版)『てんきのいい日はつくしとり』『ことしのセーター』(福音館書店)『またおこられてん』(文:小西貴士、童心社)『流木のいえ』(小学館)など。

今日の1さつ

描かれている町のモデルのような田舎に住んでいるわけでもないのに、読んでいると思い出す感覚や匂いがあります。こどもの頃の放課後などです。外で遊んでだりして、都会にいても自然を感じとる力が備わっていたのかなと思います。とてもすてきな感覚を思い出すことができました。(20代)

pickup

new!新しい記事を読む