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あららのはたけ

最終回

カエルカエラナイ

エミへ

 けんちゃん、すごい。山口から横浜まで旅しても、ぴんぴんしてたカエルたちもすごい。カエルごと野菜を穴からシュートしたエミもすごい。カレーつくってくれたけんちゃんママも、みんなみんなすごい。

 箱の中に入れてたハーブは、ワケありなんだ。去年ハーブを植えてすぐのころは、大きくなあれ、大きくなあれって必死に世話してたんだけど、いまじゃ「あ、そんなに心配してくれなくてもだいじょうぶ。わたしたちはわたしたちで、思うように生きますから」って感じ。勝手に育ってる。冬のあいだは、じーっとしていたり、茶色くなったりしてたのに、春がきたとたん「あらそう見えました? ちょっと休んでただけですよ」って、雑草といっしょにぐんぐんのびて。植物って弱そうに見えてても、土の中ではどこまでも根を広げて、力をたくわえるんだなあ。あ、もしかしたら「根性ある」っていうのは、この根の力のことかも。

 今回は野菜じゃなくて、父さんがとってくれた写真を1枚だけ送るね。シソの葉っぱが、わたしの身長くらいあるでしょ? 前回箱に入れて送ったシソは、これなの。去年の夏はね、最初のうち、母さんがシソの実のつくだにをつくるとか、サラダに入れるとかって、1枚ずつだいじそうにつんでたけど、秋になったらもうそれどころじゃないくらいいっぱい、生えてきた。わたしもどうしたらいいかわかんなくなって、もうどうにでもなれっていう感じで、ほったらかしにしてたの。

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  • 村中李衣

    村中李衣

    1958年山口県生まれ。児童文学者。大学、大学院で心理学、児童文学を学ぶ。著書に『小さいベッド』(サンケイ児童出版文化賞)『おねいちゃん』(野間児童文芸賞)『チャーシューの月』(日本児童文学者協会賞)『かあさんのしっぽっぽ』(青少年読書感想文全国コンクール課題図書)など多数。創作活動とともに、小児病棟や刑務所、少年院、養護施設などでの絵本の読み合いに取り組み、絵本を声に出して読むことを通じて自分の思いを家族に送り届ける「絆プログラム」を実施中。

  • 石川えりこ

    石川えりこ

    1955年福岡県生まれ。横浜市在住。広告代理店でデザイナーを経てフリーのイラストレーターへ。絵本・児童書挿絵をはじめ、書籍装画、雑誌・広告など多方面で活躍中。『ボタ山であそんだころ』で第46回講談社文化賞絵本賞受賞。著書は他に『あひる』(くもん出版)『てんきのいい日はつくしとり』『ことしのセーター』(福音館書店)『またおこられてん』(文:小西貴士、童心社)『流木のいえ』(小学館)など。

今日の1さつ

通院していた助産院でくいつきがよく、月齢の小さいころから見ていました。先日助産院最後の通院の日、たくさんある本棚の絵本からこれを探し出して、やっぱり何度も見ていたみたい。もう赤ちゃんも卒業かな?と思っていたのですが、まだまだこの絵本に魅力を感じている息子に2歳前ですが、買いました。かってよかった…。(1歳 ご家族より)

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