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あららのはたけ

第11回

ぴょ~ん、ってこともある

えりへ

エミからの手紙

 ば~か。あんたってば、ちっともひとのことほっとけないんだね。おこってなんかないよ。ただちょっと、手紙どう書けばいいかわかんなくなってただけ。

 べつにたいしたことないんだけどさ、カズホに、けんちゃんちに入っていくところ、見られちゃってたんだ。で、つぎの日から、学校であたしのことからかいはじめた。けんちゃんのときとおんなじやり口だ。

エミがけんちゃんの家に向かうのを見るカズホ

 なんなんだろうな、カズホのいやぁな言葉をずうっと聞いてたら、この子、さみしいのかな、って思った。だってさ、よく考えたら、けんちゃんちって、大通りからずうっと奥に入っていって、右に曲がったとこにあるじゃん。ってことは、カズホも、大通り歩いてただけだったら、あたしのこと見つけられなかったはず。もしかしてだけど、カズホ、けんちゃんのこといじめといて、やっぱり気になってたんじゃないかな。

 そう思ったら、ヘンなことカズホにいっちゃってた。

「あんた、ほんとの友だち、いないの?」

 カズホ、まっかな顔して、おこったよ。

「バカいわないで。自分こそ、えりがいなくなっちゃって、ひとりぼっちのくせに!」

 だから、わたし、答えた。

「友だちって、近くにいていっしょに遊ぶだけじゃないよ。いつでも心の中にいてくれて、だから、ひとりでもだいじょうぶなんだよ」

 カズホ、ぷいって横むいちゃって、それっきり。あれから、口きいてない。いまのところ、もうからかってこないけど、このあとどうなるのかは、なぞ。でも、あたし、ちゃんといえて、すっきりした。だから、ほんとにだいじょうぶ。

 あんたのこと、きらいになんかなってない。あったりまえじゃん。

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  • 村中李衣

    村中李衣

    1958年山口県生まれ。児童文学者。大学、大学院で心理学、児童文学を学ぶ。著書に『小さいベッド』(サンケイ児童出版文化賞)『おねいちゃん』(野間児童文芸賞)『チャーシューの月』(日本児童文学者協会賞)『かあさんのしっぽっぽ』(青少年読書感想文全国コンクール課題図書)など多数。創作活動とともに、小児病棟や刑務所、少年院、養護施設などでの絵本の読み合いに取り組み、絵本を声に出して読むことを通じて自分の思いを家族に送り届ける「絆プログラム」を実施中。

  • 石川えりこ

    石川えりこ

    1955年福岡県生まれ。横浜市在住。広告代理店でデザイナーを経てフリーのイラストレーターへ。絵本・児童書挿絵をはじめ、書籍装画、雑誌・広告など多方面で活躍中。『ボタ山であそんだころ』で第46回講談社文化賞絵本賞受賞。著書は他に『あひる』(くもん出版)『てんきのいい日はつくしとり』『ことしのセーター』(福音館書店)『またおこられてん』(文:小西貴士、童心社)『流木のいえ』(小学館)など。

今日の1さつ

100かいだてシリーズのおかげで50までしか数えられなかった娘も楽しみながら100まで数えられるようになりました。「かめのおばあちゃんはなんかい?」「100!」本に感謝です。(読者の方より)

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