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あららのはたけ

第1回

やってみなくちゃ、わかんない

エミへ
 ずうっと連絡しないでごめんね。エミたち4年1組のみんなと別れてから、もうすぐ3カ月。早いね。わたし、意外と元気だよ。横浜にいたころよりも、皮膚科に通う回数が減ったくらいにはね。

 ひとり暮らしのじいちゃんが心臓悪くしてたおれたっていうから、家族3人大決心して山口に引っ越してきたんだけど、きてみたら、たいしたことなくてさ、「この先畑をひとりで世話することができない」っていうのが問題だったみたい。母さんなんかわたし以上に虫ぎらいだし、よごれるの大きらいな人だから、「もうだまされたぁ~」って、ぷんぷん。それでね、わたしは畑のことなんか一切手伝いません、約束なので家のことだけやります、ってじいちゃんの前でどうどうと宣言しちゃった。

 じいちゃんはさ、母さんに、そうかすまんじゃった、って笑って頭を下げて、いきなりわたしに聞いてきたわけ。

「えり、それじゃおまえはどうする?畑は嫌いか?」

 そんなこといきなり聞かれてもわかんないよね、なんにも知らないんだもの。だから、答えたの。

「やってみなくちゃ、わかんないよ」

 で、つぎの日起きたら、じいちゃんが、にこにこして、いったの。

えりが立っている

「えり、川のそばのちっこい畑をおまえにやるから、すきかきらいかわかるまで、思うようにやってみろ。去年までは、シシトウとナスとキュウリとミニトマトを植えてただけだから、まあそこそこ育つじゃろう。野菜の根っこはみんな引きぬいてあるし、なにを植えてみてもいいぞ」

 父さんは、そりゃいい、って上機嫌。上の大きな畑は父さんが休みの日にひとりで手入れするらしくて、わたしもいっしょっていうのが、なんとなくうれしかったみたい。

 さて、ここでクイズです。わたしがもらったちっちゃい畑の大きさはどのくらいでしょう?

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  • 村中李衣

    村中李衣

    1958年山口県生まれ。児童文学者。大学、大学院で心理学、児童文学を学ぶ。著書に『小さいベッド』(サンケイ児童出版文化賞)『おねいちゃん』(野間児童文芸賞)『チャーシューの月』(日本児童文学者協会賞)『かあさんのしっぽっぽ』(青少年読書感想文全国コンクール課題図書)など多数。創作活動とともに、小児病棟や刑務所、少年院、養護施設などでの絵本の読み合いに取り組み、絵本を声に出して読むことを通じて自分の思いを家族に送り届ける「絆プログラム」を実施中。

  • 石川えりこ

    石川えりこ

    1955年福岡県生まれ。横浜市在住。広告代理店でデザイナーを経てフリーのイラストレーターへ。絵本・児童書挿絵をはじめ、書籍装画、雑誌・広告など多方面で活躍中。『ボタ山であそんだころ』で第46回講談社文化賞絵本賞受賞。著書は他に『あひる』(くもん出版)『てんきのいい日はつくしとり』『ことしのセーター』(福音館書店)『またおこられてん』(文:小西貴士、童心社)『流木のいえ』(小学館)など。

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