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あららのはたけ

第9回

風に乗れ

 今月はじめにね、「ブラインドウォーク」っていう、目の見えない人の世界を体験する授業があったの。まず体育館で、盲導犬とふれあう時間っていうのがあって、犬の名前はハッピー。めちゃめちゃかわいくて、おとなしくて、かしこくて、みんな大興奮。そのあと、ふたり組になって、ひとりが目かくしをして、ペアの相手のアドバイスで運動場を1周するっていう体験があったの。わたしの相手は、なんとまるもさん。

 まるもさんね、目かくし用のタオルをわすれてきてたから、わたしが目かくしをして、まるもさんが案内する役になるはずだったんだけど……まるもさん、ぜったい目かくしで歩くほうがやりたいっていって、わたしのタオルをパッととって、じぶんの頭にくくりつけたの。それがすごくヘンなかっこうだったから、わたし、タオルのよじれてた部分を広げて、耳の横のところとか直してあげた。そしたら、「サンキュ」っていったあと、いきなりぶぃ~んと走りだしちゃったの!

「まって! ふたりはなれちゃだめなんだよ!」って必死においかけたけど、まるもさん、ひとりで両手広げて走りつづけて、けっきょくコンクリートの角につまづいて、校庭のみぞに落っこちちゃった。あっというまだった。

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  • 村中李衣

    村中李衣

    1958年山口県生まれ。児童文学者。大学、大学院で心理学、児童文学を学ぶ。著書に『小さいベッド』(サンケイ児童出版文化賞)『おねいちゃん』(野間児童文芸賞)『チャーシューの月』(日本児童文学者協会賞)『かあさんのしっぽっぽ』(青少年読書感想文全国コンクール課題図書)など多数。創作活動とともに、小児病棟や刑務所、少年院、養護施設などでの絵本の読み合いに取り組み、絵本を声に出して読むことを通じて自分の思いを家族に送り届ける「絆プログラム」を実施中。

  • 石川えりこ

    石川えりこ

    1955年福岡県生まれ。横浜市在住。広告代理店でデザイナーを経てフリーのイラストレーターへ。絵本・児童書挿絵をはじめ、書籍装画、雑誌・広告など多方面で活躍中。『ボタ山であそんだころ』で第46回講談社文化賞絵本賞受賞。著書は他に『あひる』(くもん出版)『てんきのいい日はつくしとり』『ことしのセーター』(福音館書店)『またおこられてん』(文:小西貴士、童心社)『流木のいえ』(小学館)など。

今日の1さつ

娘に読ませたくて、ホームズの本を探しておりました。現代マンガ風の挿絵のものもある中、こちらは当時の雰囲気が伝わる本格的な感じで、字も読みやすく、8才の子でもふりがながのっているおかげで、ちゃんと読めたようです。今まで児童文学文庫=岩波少年文庫と思っておりましたが、偕成社文庫のラインナップが気に入り、書店ではまず、こちらの棚をのぞいております。

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